ChatGPTに質問するコツ 5選
ChatGPTはふとした疑問にも答えをくれる良いツールです。私も気になる情報を見つけてはGPTにポチポチ打ち込み、「なんとなく知った気になって満足する」ムーブを繰り返しています 笑
しかしその答えが的外れであったり、内容が薄すぎてあまり役に立たなかったり、”ガッカリ回答”を返されることもあるのですよね・・・。その際は質問内容を見直して、GPTから欲しい回答を返してもらえるように頭を使わなければなりません。
たとえばGPTの回答が難しすぎる場合は、「易しくお願いします」と付け加える。”化学的”な原理を知りたかったのに、なぜか”物理学”の法則が混じっていた場合は、「科学的な知見において」という条件を与える。不足や誤りを指摘する形で、質問自体をブラッシュアップする必要があります。
というわけで今回は、GPTからより素晴らしい回答を引き出すべく、色々と作戦を考えてみました。
質問の方向性を伝える
よく知らない分野のことを尋ねる場合は、どうしても質問が漠然としたものになってしまいます。たとえば「文章術を教えてください」という当たり障りのない質問を打ち込んでしまい、GPTもまた当たり障りのない回答を返してくる、とった具合です。
当たり前ですが、文章術にもいろいろあります。「文章を書き始める前のマインドセット」に始まり、「文章構造の決め方」も必須スキルですし、「読者を引き込める文法テクニック」はいつだって喉から手が出るほど欲しい情報です。
つまり、ひとことに文章術といっても、その回答は多岐にわたるわけです。これだけ解釈が広い質問をされては、GPTが困ってしまうのも当然です。せいぜい、当たり障りのない概要知識を返して、質問者の知識レベルを測るくらいしか、回答の余地はありません。これではあまり良い情報は得られませんよね。
となれば質問者としても、GPTが回答しやすいようにアクションを起こさなければなりません。
その第一歩としては、質問者が欲しい情報を把握することが挙げられます。またそれに応じて、質問の方向性を調整することも重要です。
先程の例を用いてみましょう。「文章術」だけでは解釈の幅が広すぎるので、まずは欲しい情報を定めます。たとえば、「読者を引き込める文法テクニック」を欲しい情報に定めるとしましょうか。
そして次に方向性を決めていきます。「それを学ぶ方法」「読者を引き込める文章リズム」「最近、流行っている言い回し」などなど、GPTが回答できる選択肢を狭めてあげましょう。
もちろん、「何を知りたいかすら分からない!」ということもあるでしょう。その場合は”漠然とした質問”から入っても問題ありません。GPTが示してくれた概要知識から欲しい情報を見つけ、そこから方向性を絞っていけば良いだけの話です。
なお概要知識に物足りなさを感じた場合は、追加情報をねだりましょう。「他にもありますか?」と聞いて、”欲しい情報”の選択肢を増やしていきます。
普段使いであれば概要知識を集めるだけでも楽しめますし、GPTの回答を読んでいるうちに、その分野において学ぶべき情報の方向性も掴めるようになってきます。
分野を伝える
質問の方向性もそうですが、そもそも分野を絞るという手段を講じるのも良いですね。
分かりやすい例としては、「学問の分野」が挙げられるでしょうか?「科学的な知見からお願いします」と一言添えるだけで、より論理的な回答を返してくれます。
様々な視点から答えてほしい場合には、いくつかの分野を組み合わせるという手もあります。たとえば心理学、生物学、心理学それぞれの観点から回答をもらえれば、より深い知識を得られるに違いありません。
「なぜ人は行列をつくるのか?」を3つの観点から説明してもらいました。ちなみに各分野を1つずつ説明してもらうこともできます。その場合は分野の数だけ情報量も増やせますから、得られる知識量も増やせます。
なおGPTからは、分野そのものを教えてもらうこともできます。「〇〇という言葉が多用される分野はありますか」などの質問を通して、興味がある分野を見つけだしましょう。
質問者の属性を伝える
あなたが小学生に読み聞かせをするとして、論文を選択するでしょうか?絵本や漫画など、あまり高度な知識を要さない題材を選ぶのではないでしょうか。
GPTも同じです。質問者の知識レベルが不足していると悟れば、それに応じて易しい言葉を用いてくれますし、文章よりも会話に慣れている質問者に対しては、会話文を用いて答えてくれます。「〇歳でも分かるように」「専門用語を用いずに」といった条件を提示して、質問者が理解しやすい言葉で説明してもらえるようにお願いしましょう。
また、質問する目的も伝えておきたいところです。少し興味があるだけで面白い情報しか求めていないのであれば、「一般人にウケが良い情報を教えて」と頼むでしょうし、「その情報を活かして何かコンテンツを完成させたい」と考えているのであれば、方向性や分野も伝える必要が出てきます。
ちなみに私が今書いている記事も、「GPTに質問するコツを50個挙げてください」と頼み、そこから10個選んで書き始めました。(もちろん、自分なりに項目や概念を書き足してはいますが)。
GPTをアイデア出しに用いる際には、この項目を特に意識しておくと良いでしょう。
GPTの回答手段を伝える
言葉の意味を調べたり多国語を翻訳したり、それ以外に解釈しようがない質問をするのであれば、わざわざ目的を伝える必要はありません。しかし自分の書いた文章をGPTにブラッシュアップしてもらう場合など、いくつか手段を講じられる要件に関しては注意が必要となります。
「誤字脱字や文法の誤りを指摘してください」「内容の信憑性を測ってください」「この文章は中学生でも読めると思いますか?」。細かく項目を分けておき、それらを1つずつ確認していく―――GPT先生の言葉に耳を傾けましょう。
また変わったところでは、「この文章に反対意見をぶつけてください」といった要望を出すこともできます。あえて反対意見をぶつけてもらうことで、執筆者の書いた文章から問題点を見つけ出したり、読者が疑問に感じるであろうことを予想したり、執筆者とは違う視点を得ることができます。
ちなみに書いた文章に点数を付けてもらうこともできます。もっとも、「100点満点で評価してください」と打ち込み、70点くらいを付けられると微妙な気持ちになるのですが・・・。
この文章の草稿は85点でした。うーん、喜んでいいのやら・・・。
質問はシンプルに伝える
条件を1度にたくさん伝えても、GPTがそれらすべてを満たしてくれる可能性は0に等しいです。
人間と同じですね。知らない英単語をいきなり100個提示されて、それらすべてを一瞬で覚えられるでしょうか?AIであれば可能でしょうが、少なくとも私のような一般人には無理です。どの単語も、「あ、これさっき見たんだけどなぁ」程度の記憶しか残せません。
このように、項目は少なければ少ないほど記憶に残しやすくなるというのは、感覚的に分かってもらえると思います。GPTも同様で、条件を与えすぎると、人間が薄い記憶しか残せないように、条件を軽く扱うようになってしまいます。いくつかの条件を無視したり、達成しやすい条件だけに力を入れたり、不完全な回答を返してしまうのです。
この事態を防ぎたいのであれば、条件は少しずつ提示して、質問も何度かに分けて伝えてあげましょう。もちろん、GPTが誤解しないように、質問内容もシンプルなものに仕上げます。
たとえば「文章術」について調べたい場合は、まずキーワードをいくつか用意するところから始めます。「説得力がある文章を短時間で書きたいな。あ、この文章は子供にウケるように考えなきゃ」という考えでGPTを頼る場合は、「他人を説得するのに役立つ方法を教えてください」「クリエイティブな作業をする際に、作業効率を上げる方法を教えてください」「子供に好かれるコツを教えてください」といった具合に、質問内容を用意していくわけです。
なおGPTから回答を引き出すテクニックとして、「なるべくテーマとの関連性が強い言葉は避ける」というものがあります。
というのもGPTはテーマを”かなり”重視するきらいがあるので、テーマと近しい言葉を放り込んでしまうと、その言葉に引っ張られて回答も一辺倒になってしまうのですよね・・・。
せっかく質問をたくさん考えても、似たような回答ばかり返されてしまえば、意味がありません。「そのテーマと関連するワードを避ける」「あえて別の分野からアプローチする」などなど、GPTが幅広い情報を返してくれるように、質問の仕方も工夫してあげましょう。
以上、「GPTに質問するコツ」についてお話させていただきました。
・質問の意図を誤解させないように、回答の幅を狭めてあげる。
・条件を与えすぎて混乱させないように、少しずつ簡潔に質問していく。
このあたりがコツとなるでしょうか。
人もGPTも同じですね。相手に優しく接することこそが、上手に物事を運んでいくコツなのかもしれません。
おまけ
わーい100点!
草案を推敲して、GPT君に再評価してもらいました。褒められて嬉しいのはお互い様ですね。